■社会科見学 2006/06/07 |
この前、春日部市にある庄和排水機場という場所の見学に行ってきました。 「庄和排水機場?なにそれ」 まあ名前だけを聞いてもピンとこない人が大半だと思いますが、簡単に言うと、大雨で県内の川が増水した時に、その水を江戸川に逃がすための施設です。 なんでも埼玉県の北東部は低い土地を流れる川が多く、大雨の度に水がたまって水害が起こりやすいんだそうです。 そこで、地下50メートルという深い場所に巨大なトンネルを掘りまして、各河川で増水した水をトンネルづたいに江戸川まで引っ張っていき、その水を江戸川に排水する仕組みを作ったんですって。 この仕組み全体を「首都圏外郭放水路」と呼びぶそうで、今日はその首都圏外郭放水路の重要拠点、ポンプ設備がある「庄和排水機場」の見学に来たわけです。 でもなんでそんな施設を見学に? 実はここ、凄いモノがあるんですよ。 治水やら洪水対策やら、そういう難しい事はひとまず置いときましょう。 単純に「スゴイ」んです! で、その凄いモノというのは…「巨大地下空間」 この庄和排水機場という場所は大量の雨水が集まってくるわけですが、その雨水を江戸川に排出する時には「調圧水槽」という場所で水圧の調節をしなければならないそうです。 そしてその調圧水槽という場所こそが、「スゴイ」と噂の巨大地下空間なのです。 以前からその地下空間の話は聞いていたので、いつか見学できたらいいなと思っておりました。 で、今回、運良く見学の予約が取れたので、チャリをキコキコと春日部市にある庄和排水機場まで行ってきたというわけです。 埼玉北部、江戸川のすぐ脇にある庄和排水機場。 田んぼの多い場所にあるので、真新しいこの建物は結構目立ちます。 この建物の裏手には広いサッカーグラウンドがあるのですが、この芝生の下に今回の目的地である調圧水槽があるらしい。 このサッカーグラウンドは2面分ですから、それと同じだけの地下空間があるということに… うう、想像しただけでもドキドキしてくる… そして広いグラウンドの隅っこには小さな建物と扉。 ここが地下空間への入口です。 案内役の職員さんの先導のもと、狭い階段を降りてゆくんだけど、階段を一歩また一歩と降りる度に空気が冷たくなっていくのがわかります。 そして100段以上ある階段を降りきった先には衝撃的な巨大地下空間が! な、なんだこれは!! 目の前に広がるのはコンクリートで囲まれた冷たい巨大空間。 長さ177メートル、幅78メートル、天井までの高さ25.4メートルという、地下とは思えない広さ。 そしてその巨大な空間を埋めるように立ち並ぶ無数の柱。 雨水の排水施設と理解してるはずなのに、この場に立って辺りを見回すと、なんというかこう、もっと神秘的な空間に迷い込んだように感じます。 この不思議な感覚、「地下神殿」なんて呼び方をされるのも納得できます… あまりに巨大すぎてピンとこないかもしれませんけど、人と比較すると柱の一本がこの大きさです。 どれだけ巨大がわかるでしょうか。 ちなみにこの柱一本の重さは500トン。 それが59本もあるわけですが、巨大な空間を支えるにはやはりこれだけの柱が必要になるそうです。 しかしこの調圧水槽の迫力はちゃんと伝わってるでしょうか? 本当はもっと大きなサイズの画像でお見せしたいのですが、内部が暗すぎたのか、それとも興奮しすぎたせいなのか、キレイに撮れている写真がほとんどありません… 上の画像だけはマトモに撮れていたので、この写真からその雰囲気をなんとなく感じてもらえたら幸いです。 800x600の画像 巨大な空間に圧倒されっぱなしですが、本来ここは水がたまる場所。 柱を見ると白いパネルが付いているのがわかると思いますが、この上下2枚のパネルの間まで水がたまるそうです。 つまりこの巨大な空間の半分くらいが水に埋もれてしまうことに… うう、あまりにスケールが大きすぎて想像できない… そしてこの調圧水槽の端には、立杭と呼ばれる巨大な穴があります。 画像ではちょっとわかりにくいですが、直径30メートル、深さ70メートルほどの、スペースシャトルがすっぽり収まってしまうほどの巨大な穴が開いています。 この穴の底には各河川と繋がった地下トンネルが通っており、流れ込んだ雨水はこの立杭を通って調圧水槽へと流れ込むようです。 そして調圧水槽に流れ込んだ雨水は、立杭と反対側にあるポンプによって吸い上げられます。 立杭とは反対側、これが調圧水槽のもう一方の端になります。 この暗闇の先にポンプがあり、江戸川に雨水を排出するそうです。 ポンプ室は見学できませんでしたが、ポンプの動力は航空機用のガスタービンエンジンを改造したもので1万4000馬力。 なんと、一秒間に200立方メートルの水を排出できるらしい。 わずか一秒で小学校のプールを空にしてしまうほどの能力だそうだ。 そしてこれが江戸川に開いた放水用の口。 電車が通れるほどの穴が6つほど開いています。 いざという時は、ここから毎秒200立方メートルの雨水が放出されるということになります。 しかしそれだけの量の水を流しても、江戸川が溢れることはないそうです。 さすが江戸川、県境を流れる大きな河川だけあります。 ちなみにこの外郭放水路、すでに25回ほど稼動してまして、洪水被害を未然に防ぐ活躍をしているそうです。 ということは、この調圧水槽内も雨水でいっぱいになった経験があるはずです。 しかし、中に入って驚いたのはすごくキレイなことでした。 ドブ川のような嫌な臭いもしないし、所々床が濡れてる程度で、泥が溜まっているようなこともありません。 なんでも施設を稼動させると、調圧水槽には5〜10センチくらいの泥がたまってしまうらしいのですが、定期的に掃除をしているんだそうです。 で、そんな時に活躍するのが天井のこの部分。 光が漏れてくるこの場所は重機を出し入れするための穴だそうで、ここから重機を入れて、内部の清掃やメンテナンスを手早く行えるようになってます。 外から見るとこんな感じ。 トラック一台くらいは入りそうな穴で、なかなかの大きさです。 クレーンを使ってこういう穴から重機を出し入れするのは結構神経を使いそう… 「乗らないでください」なんて書いてありますが、下の大空間を知ってしまった後では、とてもじゃないけど上に乗る気なんて起こりません… そして再び調圧水槽内。 大きな柱の脇に小さな突起物を発見しました。 規則正しく並ぶ不思議な物体… もしや水の流れを制御するための装置なんだろうか。 と思ったら、単なる車止めでした。 調圧水槽の端にある立杭に重機が落ちないようにするために付けたそうです。 プロしか入らない施設とはいえ、こういう安全に対する配慮はしてあるんですね… そしてとうとう、楽しかった見学も終了です。 来た時に使った階段をもう一度通って帰ります。 うー、名残惜しい。 ここ数年でいちばんドキドキした体験だったので、もう少しこの場に留まっていたい気分です。 んー、こうなったらもう一度見学に来ようかしら… そんな気持ちになるくらい、貴重な経験をさせてもらいました。 写真では絶対伝わらない迫力を感じられると思いますので、みなさんも機会があればぜひ一度見学してみてはいかがでしょうか。 きっと驚くと思いますよ。 で、見学の後は庄和排水機場の2階まで行き、見学の際に使ったヘルメットを返すわけですが、この庄和排水機場の2階には芸能人のサインがいっぱい飾られています。 というのも、あの地下空間はテレビの撮影にはもってこいなので、しょっちゅうロケに使われてるんですね。 仮面ライダーやマジレンジャーのような特撮物から、水樹奈々のPV、北の国からや妖怪大戦争などなど、様々な番組の撮影に使われているそうです。 自分が見たことのある番組も結構あるので、ここのサインを眺めてるだけでも結構楽しかったりします。 ただ、芸能人のサインって写真とかが一緒じゃないと誰が書いたものかわかんないんですよね。 ここにたくさん飾ってあるサインも、正直、どれが誰のサインかわからないものが多かったです… でもそんなわかりにくいサインが多いなか、彼のサインだけは一発でわかりました。 神木くん!わかりやすすぎ!! |
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